

リノベーション体験談
Failure examples and precautions
先人に学ぶ
成功談・失敗談
肝は人と人とのコミュニケーション
The key is communication between the client and the creator
リノベーションの経験者が語る成功談・失敗談に共通して言えることは、コミュニケーションの深さがその明暗を左右するということ。オーナー、創り手、中古物件の売り手、相互で情報を共有し、「知らなかった」「こんなつもりじゃなかった」という失敗を防ぎます。また、さらに深い信頼関係を築くことで、それぞれの理想やアイデアを共有し、よりよいリノベーションが実現します。
失敗談
入念に計画したはずなのに予算オーバー
最初に予算上限を決めてから、古民家物件を探しました。見つけた物件を内覧し、その上で自分たちがやりたいリノベーション内容をまとめて、費用を試算しました。物件の購入費用+やりたいリノベーションの費用が予算に納まったので不動産屋さんで物件購入の手続きをしました。
その後リフォーム会社に現地調査+見積もりをしてもらったところ、予想外の金額に!理由は、購入した物件の耐震や下地材の補強が必要とのことでした。
安全に暮らすためには、「やりたい」リノベーションよりも「やるべき」リノベーションを優先せざるをえず、結果的に不満足な結果に...こんなことなら物件契約前にリフォーム会社に相談すればよかったと後悔しました。
まとめてリフォームしたほうが得じゃないの?
家を建てて15年ほど建ったころから、あちこちに小さな不具合を感じていました。しかしリフォームはある程度まとめてしたほうが工事代が安く済むと聞いたことがあったので、しばらく放置していました。20年を過ぎたころに雨染みをみつけ、そろそろ全面的に手入れをしてもらおうとリフォーム会社に相談をしたところ、予想以上に大規模な補修が必要であることが分かり、費用にも驚きました。
リフォーム会社さんには、外壁の劣化などはこまめに点検&補修したほうが、家が傷まずに長持ちするということでした。放置していた間に浸水や腐食が進み柱や床がひどいことになっていたようです。
素人の思い込みで判断せず、プロにこまめに相談するべきでした。
会社選びで失敗しました
古民家というほどではないけど築40年以上経っている実家をリノベーションしました。床や壁の張り替え、水回り一式の入れ替え、外壁、屋根、窓の置き換えなど、大規模なリフォームになりました。
お願いしたリフォーム会社は小規模リフォームがメインの会社で、一つ一つの工事は実績があるけど一気に家全体をフルリノベーションするというのはほとんどやったことがないようでした。そのためスケジュールが計画どおりに進まなかったり、足場を外した後にまた足場が必要な作業があったり、、と、素人目に見ても段取りが悪い!
同じくフルリノベーションした友人から、新築をメインにやっている工務店でリノベーションをしたと聞いて、その選択肢があったか、と後悔しました。
想像以上の寒さと光熱費に耐えられない
結婚後市街地のマンションで生活をしていましたが、夫婦とも田舎育ちで、こどもにも自然豊かな環境で育って欲しいと思い近距離移住をしました。見つけた物件はいわゆる古民家で、マンションからは比較にならないほど広く、しかも驚くほど安く購入できました。
仲介をお願いした不動産屋さんにリフォーム会社を紹介すると言われましたが、早く入居したかったのと、そのままでも暮らせそうな感じだったので、まずは暮らしてみて追々気になったらリフォームをしようと決めました。それが失敗でした。
5月の連休に引越しをし、夏は楽しく過ごしたのですが、11月ぐらいから寒さに耐えられなくなりました。慌てて大型の石油ファンヒーターを購入しましたが、部屋が広くて隙間風も多いせいか、なかなか部屋が暖まりません。家族全員暖房のそばから離れられず、居間に布団を敷いて寝ているぐらいです。
リフォーム会社に相談をしていますが、断熱工事をするには一度家を出ないといけないと言われ、どうするかまだ迷っています。
マンションの暖かさに慣れて、冬の寒さを甘く見ていました。
成功談
要望どおりにつくらなかったことで大成功
古い家は独立キッチンでいつも一人で寂しかったので、最近流行りのオープンキッチンにリノベーションしたいと思いました。リフォーム会社さんに相談したところ、オープンキッチンは常にキッチンが丸見えなので片付けに苦労すると教えてもらいました。そこで、対面キッチンの半分だけをリビングと視覚的につなげ、半分は隠れるように設計してもらいました。
いざ使い始めるとその判断は大正解でした。もともと片付けは得意なほうではないので、来客時などは隠せる場所があるのはすごく便利です。家族とコミュニケーションがとれなくて寂しいという悩みは解決してもらった上で、使い勝手が良いアイデアを提案してもらえたので本当によかったです。
古民家のつくりをあえてそのまま使う
主人の実家の古民家をリノベーションして暮らすことにしました。玄関の大きな土間は昔ながらの古臭い感じがして、ほとんどフローリングに変更してもらうつもりでした。しかし打合せをしているうちに、土間収納の便利さを知りました。新築でも最近人気でわざと土間を大きくつくる人もいるぐらいだと。結局、土間の面積はそのままに、モルタルで仕上げて今風のおしゃれな感じにしてもらいました。
小さいこどもがいるのでベビーカーやこどものおもちゃをそのまま入れられたり、雨の日にはちょっとした子どもの遊び場にもなります。ママ友にも「こんな大きな土間がある家は見たことがない」と羨ましがられ、古民家の良さを生かした家ができたと思います。
補助金を活用して快適な住まいに
親が建てた築35年の実家に住んでいます。実家をリフォームしたいと思うようになったきっかけは、弟が新築した家の暖かさでした。冬でも家の中が全く寒くなく、トイレに行くのも寒くないというのは感動的でした。
ただ、母に相談したところ「私がおらんようになったら建て替えたらいい。今リフォームするのはもったいない」と冗談半分で、リフォームには否定的でした。正直、建て替えも考えたことがありましたが、“建て替えるにはまだもったいない”ぐらいの中途半端な古さで迷っていました。
あまりコストを掛けずに少しでも家を暖かくする方法がないかと近所の工務店に相談したところ、補助金を使った断熱リフォームを提案してもらいました。見積もりをしてもらったところ、補助金を使えば想像していた金額の半分ぐらいで断熱リフォームできることが分かり、すぐにお願いしました!
リフォーム後の実家は弟の家のように快適で、こんなことならもっと早くやれば良かったと思いました。だめ元で工務店に相談に行って良かったです。
夫婦で価値観が合っていたからこそできたこと
そろそろマイホームを、と検討しはじめたとき、最初は新築を建てるつもりで土地と注文住宅の会社を探していました。つくりたい家のイメージを夫婦で共有しているうちに、古民家のような、というキーワードが出始め、いっそ古民家をリノベーションして暮らすのが良いのでは、という結論になりました。
1年以上掛かりましたが立地も建物も気に入る物件が見つかり、リノベーションの打合せや工事をしてさらに1年後にめでたく入居。
物件購入費とリノベーション費用を合わせたらおそらく新築を建てるよりも高くなっていて、親や友人に「なんでわざわざ」と言われましたが、私たち自身は大満足です。予算を抑えるために中古+リノベと考える人もいると思いますが、私たちにとっては理想の暮らしを実現するための選択肢だったので、かけた費用の価値があると思っています。
新しい法令を知らず、あわや大失敗。
古民家を改修してカフェを開業予定です。
物件の目星をつけた状態でリノベーション実績の多い業者に相談をしたところ、その物件ではカフェを開業できない可能性があると教えてもらいました。昔建てられた家は現代の建築基準を満たしていないことがあるというのは知っていましたが、その場合カフェの営業ができないということまでは知りませんでした。
しかもそのルールはつい最近法改正されたばかりらしく、リフォーム業者の中でも知らない人もいるとのこと。担当の方がちゃんと情報を集めている人で、さらに別の物件探しのサポートまでしてもらえたので本当に良かったです。
夏にカフェをオープンするのがとても楽しみです。